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二人の社長が不動産事業をやってみたら フィクション ~後編~

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ある街に、二人の若手社長がいました。


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標準的で真面目で勤勉で努力家のエー社長、面白くてワイルドで大バカで遊び人な男のビー社長。



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そんな二人が、何とこれまた偶然、全く同じビジネスを思いついた。




それは、「不動産マッチング事業」。




何てことはない。




単に、お客が欲しい不動産屋と、信頼できる不動産屋を求めるお客を結びつけるだけの事業。


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エー社長は早速、弁護士、税理士、中小企業診断士、会計士などに相談。もちろん30分5000円。




小むづかしいアドバイスを必死になって聞き込み、難解な資料づくりでせっせとオフィスにしけ込む。




さあ今日は、複雑な顧客問い合わせフォームを作ってもらうべく、ホームページ業者と打ち合わせだ。




ビー社長は、、実は、単に瞬間的にこの事業を思い付いたに過ぎない。




つまり、エー社長とビー社長が偶然同じ事業を思い付いたというより、


ビー社長は常にいろんなビジネスを思い付いているので、

あらゆる社長とそういう偶然が起きるというわけだ。




さて、ビー社長は、いつものようにぶらぶら河川敷を散歩していた。




快適すぎる芝生を見つけ、思わずそこに寝っ転がる。



すると近くに座っている声のでかいおばちゃん2人が、


「息子の家を建ててやりたいんやけど、親切な、ええ不動産屋がおらんので困るわあ」


という話をしているのを、ビー社長は小耳に挟む。




ビー社長はすぐさま立ち上がり、そのおばちゃんに近づいた。




「僕、いよいよ明日から、妻と二人で憧れのマイホーム暮らしなんです!!」


とリアルな笑顔とハイテンションで話しかけた。

おばちゃん「うちの息子にええ家ないか?」

ビー社長「あ、そうだ。この人に聞けばすごく親切に教えてくれます。この人の名刺を2枚もらってしまったので、1枚あげます。」

ビー社長は知り合いの不動産屋の名刺をおばちゃんに手渡した。

そして、4ヶ月後、ビー社長は知り合いの不動産屋から50万をGETする。

たまに、ビー社長は即興でこういうことをやっている。

もちろん、ビー社長は「不動産マッチング事業」という認識さえ持っていない。


一方のエー社長。




完璧なホームページとチラシを揃え、営業マンまで雇って「不動産マッチング事業」に精を出している。




「無料ご相談大歓迎」と宣伝しているので、さすがに相談者は時々訪れる。




180人の不動産屋のリストをお客にしこたま説明するが、数が多すぎてお客は不動産屋を選べないことに、エー社長はまだ気付いていない。



不動産屋との面会スケジュールが詰め詰めで日々忙しく充実感があり、大赤字になっていることから目をそらすのには好都合だ。

エー社長とビー社長。




あなたが共感を覚えるのは、どっちですか?


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