人口減少と空き家激増と不動産投資に関する論文 第5回(全5回)
前回からの続き
人口が減少するのに新築が供給され続けて、空き家率がどんどん高まっても、
不動産投資は楽勝状態が継続することを、
今まで4回にわたって論じてきた。
しかし、いずれも「人口が減少する」という点は否定しようがなく、
まだ不安な方もおられると思う。
そこで、最終回の今回は、何と「(入居者層において)人口が増える」ことをお話したい。
絶対家賃を滞納しない、「お役所」が入居者であれば、賃貸経営者にとってはとても助かることだろう。
しかも、適当なリフォームで割高の家賃でも喜んで入居してもらえる。
なのに、多くのオーナーがその入居を断る。
だから、貸したい人より借りたい人が常に多い。
そして、その借りたい人はどんどん加速度を上げて増加していっている。
こんなうまい話が、存在しているのだ。
「おいおい、それ、書くなよ!」
と不動産の成功者さんたちから突っ込まれそうだ。
少々この事実を披露したところで、不動産投資家にとってどんどんうまい状況が加速していくことは変わりない。
その入居者とはつまり、生活保護受給者だ。
既存受給者は新規入居者とならないから、新規受給者が入居対象となる。
生活保護受給者が増え続けている。
主な理由は、単身化・家族関係の希薄化によって、身内からの援助を受けられない人が増えているからだ。
2025年問題 という言葉がある。
2025年には団塊の世代が後期高齢者になって社会保障費が大変になるという問題だ。
生活保護者のさらなる激増も見込まれる。
Airbnbも知らない旧来型地主系はもちろん、我々のような新興不動産投資家でも、生活保護の人を恐れる方が多い。
しかし、なぜ、家賃が保証されているこれらの人々を避けるのか?
外見がきれいではないとか、部屋を汚しそうだからとか、トラブルを起こしそうだからとか、
偏見のオンパレードだ。
実際、生活保護の人は、「追い出されたらどこも行くアテがない」と思っているので、
トラブルは起こさない人がほとんどだし、
家賃も役所が代理で振り込んでくれる場合が多い(手続きには、交渉力のある人物の力が必要)。
仮に、生活保護の入居者が直接家賃を払う場合であっても、
世間一般のイメージのように、
「生活保護者は保護費が振り込まれたら即、パチンコと風俗と酒に使い果たしてしまう」
なんてことはめったにない。
やはり、「追い出されたらどこも行くアテがない」と思っているので、ちゃんと払ってくれるし、
そもそもパッと見て一般の人と区別はほとんどつかない。
「本物の公務員」よりも入居を優先すべき存在だ。
「本物の公務員」なんてすぐに新築を買ってしまう。
生活保護受給者は、新築を買って退去することなんて皆無だ。
しかも、無意味に引っ越しすることは制限されている。
つまり、もしかしたら退去時にとても汚されるかもしれないが、
そもそも退去がほとんど無い。
生活保護者の寿命か家の寿命か、どちらか早い時点まで、ずっと入居が続くことになる。
以上、人口が減少するのに新築が供給され続けて、空き家率がどんどん高まっても、
不動産投資は楽勝状態が継続することを、
5回にわたって論じてみた。
「これからますます輝いていく黄金時代を、思いっきり謳歌していこう。
豊かで平和でビジネスも楽勝な素晴らしい良い時代に生きていることを、感謝していかねばならない。」
これが、今回の5回の論文のまとめだ。