うんこ製造生命体と思考の現実化について
私の所有物件で、とある事件が発生した。
事件と言っても、私の価値観においての事件なので、
必殺大家人さんのような方からすると、あまりにも日常茶飯事過ぎて、
何の思い出にも残らないレベルの出来事だろう。
しかし、普通で平凡で一般的でそんなに他の人と比べて特徴の無い人にとっては、
人生の3大ニュースに入るほどの出来事かもしれない。
結論を述べると、物件を人間の糞尿まみれにされたのだ。
私は、あるボロ物件を、ほとんど直すことなく、超激安で現状貸しした。
具体的には、ちゃんと直せば8万ぐらいは取れるエリアと間取りで、
ゴミを片付けただけでボロボロのまま2万円台で貸し出した。
そして、日本国内では絶対に受け入れてもらえない、
無職・貯金なし・収入なし・保証人なし・家族なし・友人なしという20代男性を迎え入れた。
20代男性と言うと聞こえは良いが、生物学的にそう分類されるだけであり、
歩くボロ雑巾のような人物であった。
私がなぜそのような者を受け入れたかと言うと、
日本国は全ての人間(不法就労や麻薬密売人の外国人であろうと)の基本的人権を保証する超福祉国家であり、
当然、無職・貯金なし・収入なし・援助者なしの人には生活保護が支給されるからだ。
だから、生活保護の受給までの期間において、無償にて入居を認めていたのだ。
しかし、何とその男性は生活保護を断られた。
私は、役所に理由を尋ねると、
「仕事を、、しかもかなり稼いでおられるようなお仕事をされているので、、」
という返答だった。
不思議に思って調べてみると、何とその人物は、
内容は完全に虚偽ではあるが、アイデンティティやプライドを満たすため、
自らの写真を前面に出して、自分をアーティストとして売り出し、
まるで売れっ子のスターのように紹介しているHPを作っていたのだ。
電話番号もメールアドレスも嘘なので、役所も本気で調べれば虚構のHPだと分かるはずだが、
そもそもHPに「全国公演前売り券発売中 全国のローソンで」とかむちゃくちゃなことを書いているので、
生活保護申請却下のわかりやすい理由にされてしまったのだ。
私は、生活保護却下の事実を知り、退去するか家賃を支払うかを迫った。
その入居者は、「家賃を払って住み続けます」と言ってきた。
しかし、1ヶ月経っても2ヶ月経っても全く支払わない。
それなのに、給湯器の調子が悪いとか、ドアがスムーズに動かないとか、
雨漏りのシミの跡を隠してほしいとか、一端の入居者のような要望を出してくる。
私はもちろん一切対応せず、
滞納状態のままでは、今後、
仮に雨漏りしようとも、壁から水道が吹き出ようとも、
1円たりともお金は出せない旨を説明した。
「わかりました」と言うものの、数日ほどしてまた、ほとんど同じ内容の要望を出してくる。
私はそのとき、思った。
「こんな人物が本当に人間なのだろうか?
生物学的に人間なのは確かだ。
しかし、実質は、うんこ製造生命体としか言えない。
このボロ雑巾のような男は、ただ毎日、コンビニに行っておにぎりを買って、
それを体内に入れて、うんこに変えているだけの生命体だ。
それ以下でもそれ以上でもない。」
ほどなく、退去の連絡が入った。
滞納したままの退去だ。
一般の不動産投資業界としては、居座られて裁判するより、自発的に消えてくれただけ、ましだったのかもしれない。
現場に行かない主義の私は、スタッフさんに、退去後の確認と写真を撮ってきてもらうように頼んだ。
しかし、スタッフさんから連絡があり、
「とてもじゃないけど中に入れません。あまりに臭すぎます。
死体があるのか何なのか、とにかく臭すぎてどうしても入れません。」
ということだった。
現場に行かない主義の私が現地を確認したところ、
そこは凄惨極まりない光景が広がり、
人間の糞尿と猫の糞尿を中心とした、なんだかわからない汚物に埋め尽くされていた。
写真はさすがにお見せできない。
というか、あまり撮る余裕がなかった。
その現場にて私は、怒りを通り越して、ある一つの真実を悟った。
つまり、思考は現実化するという、ナポレオン・ヒルなど偉大な学者が提唱してきた宇宙の法則だ。
思考は現実化することの、悪いバージョンのほうだ。
私は入居者のことを「うんこ製造生命体」と思っていた。
潜在意識の奥深くで、そう信じてきた。
そして、それが現実化したのだ。
「想念が物質を作る」とはまさしくこのことだと悟ったのだ。
「思考は現実化する」という法則についてはあまりに有名すぎるので、私が詳解することは省略する。
知らなくて気になる方は調べていただきたい。
この事件によって、私は自分の不動産投資において、大きな教訓を得た。
定食屋に例えると、「100円の賞味期限切れの定食はもうやめる」ということだ。
私は800円でうまい定食、390円で普通の定食、100円でマズい定食を出してきた。
100円でマズい定食を出していたのは、
世の中には味よりも安さを優先する人がいるから、
そうした人のニーズに応えたいと考えていたからだ。
しかし、実際、100円定食の客がクレーマーとなり、感謝もせずに店を汚して去っていく。
そのせいで、自分はもちろん、390円や800円の客にも迷惑がかかるのだ。
だから100円定食はやめにする。
超激安はもう要らない。普通の激安390円で十分だ。
話のネタとしては100円定食を出し続けているほうが、端から見ていると面白いはずだ。
しかし、そのための人糞はあまりに犠牲が大きい。
思考は現実化するという宇宙の法則は、人糞という荒業を使用して、私に、100円定食なんてすぐにやめるように示唆してくれた。
そのようにこの事件を理解している。