消費税10%についての随筆
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個人的に、消費税が10%になったのはもう遥か遠い昔のように感じるのですが、
実のところまだ半月ちょっとしか経っていないことに少々驚いています。
それぐらい、10%は割と当たり前の感覚になっていますし、そもそも、食料が8%のままなので、
報道されているほど、あまり社会的な影響は見えていません。
しかし、今ふと思い出したのですが、
増税を機に零細店舗が閉店したといったマイナーなニュースがラジオで今月初めに流れていました。
新橋か上野かどこかの大都会の下町で、390円のカツ丼(?)屋さんが、
増税で経営することが不可能になるという理由で店を閉じたということです。
創業以来、消費税が導入される以前から、常連客のために頑なに守ってきた390円がどうしても維持できないので、
店主は断腸の思いで店をたたむと決めたのです。
常連の客へのインタビューでは、「あんなに安くてうまい店がなくなるなんて、、」と悲しむ様子でした。
さて、このニュースを聞いて、
下記の3つのうち、どの意見が適切でしょうか?
1 消費税を上げる政府や社会制度が悪い!
2 まあ、仕方ない
3 赤字でも続けるべきだ!
この中でどれを選んだ人も、失礼ながら頭が悪いと言わざるを得ません。
特に1はネガティブで最悪ですね。
最低限度のクレバーさをお持ちであれば、答えはすぐに分かると思いますが、
「単に値上げすれば良い」
というのが、ごくごく自然で合理的な感想となるはずです。
390円のカツ丼を500円にしてもなお安過ぎであり、
そもそも本当に美味しいのなら、倍額の780円でも商売は問題なく成立しそうです。
店主は、美味しいカツ丼を安く提供してきた常連客を本当に大切にしたいのなら、
原材料費や税金に連動させ、440円、490円、540円と価格を上げていけばそれで経営的な問題は解決したはずです。
もし、「390円なら食うけど、440円ならこんな店に二度と来るか!」という客がいるのなら、
それは常連さんでも大事なお客でも何でもありません。
つまり、「超絶鬼安」を「超鬼安」、「超鬼安」を「鬼安」に少しずつ修正していくことで、
「安くて美味しいカツ丼がずっと食べられて嬉しいな」と常連さんはずっと満足するのです。
「鬼安」でも、普通よりかなり安いことには変わりありません。
その店主は、このような異常に単純なことに気付かなかったから、
数十年も大切にしてきた本当の常連さんを真の意味で裏切ることとなったのです。
残念ながら、なぜか思考停止状態にある人が非常に多いです。
人間の言葉を話しながら、もしかすると犬や猫よりも物事を考えていないかもしれません。
そうならないようにぜひとも注意していただきたいです。
まだ固定された反応しかできなかった2010年代前半のロボットじゃないんだから、
一瞬だけでも構わないので、もう少し頭を使って考えてみることをお勧めしたいです。(written by 廃墟不動産投資家)