値下げ交渉に対する根本的な考え方(前編)
私は、空き家の鍵を預かり、少しだけ直して激安で貸すことにより、
投資した資金(掃除してゴミを捨てるなど最低限の作業だけで20万ほど)を1年で回収するという、
利回り100%の廃墟不動産投資方式で物件を貸しているので、
そのシステム上、家賃はほとんどの場合で激安です。
しかし、不動産の賃貸でも売買でも、それ以外のあらゆるビジネスでも、
値引き交渉された場合、全く応じずに「質を上げること」により対応しています。
それは、リアルのフリマとかメルカリなどの、遊びレベルのお金のやり取りにおいても徹底しています。
つまり、値下げしないで質を上げる、ということです。
物件であっても通常の商品であっても、お客が殺到するなら値引き交渉など無視すべき話です。
ただ、お客が殺到してしまうというのは、ある意味、値段の付け間違いです。
例えば、500円でおかず大盛りでめちゃくちゃ美味しい定食屋でいつも人がたくさん並んでいるなら、
本来はちょうど満席になるぐらいの800円とか1000円で提供すべきなので、
正当な利益を得る機会を逸失しています。
安過ぎてお客が殺到せず、ちょうどちらほら問い合わせとか注文が入るぐらいが妥当な値付けです。
しかし、その場合、往々にして、「もう少し安くなりませんか?」「値下げしていただけないものですか?」などと交渉されることが起きます。
特に、不動産の賃貸と売買や、メルカリなどのフリマ系だと頻繁に値下げ交渉されてしまいます。
値下げ交渉される場合、相手は現状の商品の価格を少し高いと感じているわけです。
そして、値下げ交渉された場合、多くの人が「値下げに応じる」「断る」の2択で対応してしまいます。
値下げした場合は損しますし、断ったらせっかくの販売の機会を失います。
そこで、もう1つの選択肢である「質を上げる」という考えが重要です。
ちなみに、質を上げるという考えの中には、量を増やすことも含まれます。
「質を上げる」とは、例えば、物件を貸し出すとき、
「もうちょっと安くなりませんか?」と交渉されたら、
家賃を下げるのではなく、ウォシュレットを付けてあげるということです。
「ん?それはそれでお金がかかるから、値引きしているのと同じなのでは?」と思った方もおられるでしょう。
そこで、もっと数字を使って具体的に説明します。
値引き交渉への対応は、物件を貸すという不動産の世界だけではなく、
ビジネス全体に通ずる重要な考え方が現れます。
その考え方の有無により、不動産でもそれ以外でも、ビジネスの収益に非常に大きな影響が出てきます。後編へ続く(written by 廃墟不動産投資家)