賃貸の椅子取りゲームが始まっている(前編)
2019年には約3200万人だったインバウンドがコロナの鎖国によりほぼ消失し、
国内では毎年60万人以上、人口が減っていき、
特に、少子化の進行により、これからますますその流れが加速します。
それにも関わらず、毎年、新築のタワマンやアパートなどが85万室以上建てられ、
インバウンドの需要が消滅したので、旅行者に空室を貸すこともままならず、
テレワークによりオフィスもどんどん不要になるので、
不動産を賃貸で運用するのが日を追うごとに難しくなっていっています。
また、不動産のジャンルだけでなく、あらゆるビジネスにおいて、
コンサルやセミナーが興隆し、コンテンツ販売やサロン、スクールなどが激増し続けています。
私が面白半分でやってきた物件見学ツアーも、実は割と儲かるので、
コンサルやセミナーの競争が激しくなるのと同時に、かなり多くの業界で広がってきました。
この流れの全てに共通するのは、
お客が減ってサービスの提供者が増えていることです。
友人から聞いた話なのですが、ある不動産投資家の出版パーティーに出席したら、
出席者が、セミナーやサロンを売りたくてすでに本を出した著者だらけで、
そういう人の顧客となる、これから不動産を学びたい参加者が少数となっていたそうです。
通常、これから不動産を学びたい多数の参加者が、
すでに成功して本を出したような少数の著者に群がるのが自然な状態です。
しかし、その出版パーティーでは、ピラニアだらけの池に魚肉が投げ入れられたときのように、
これから不動産を学びたい参加者に、セミナーやサロンを売りたい著者達が群がっていたそうです。
物件の貸主と借主も同じ構図が見られます。
昔は入居したい多数の人が、貸家を持っている大家に群がっていたのに、
今では、空室を持て余している多数の大家が、
家を探している少数の入居希望者に群がっているのです。
大まかには、昔は貸し70対借り120だったのが、
現在は貸し110対借り60ぐらいで、いずれは貸し120対借り30ぐらいに激変する見込みです。 中編に続く (written by 廃墟不動産投資家)