不動産の価格は三極化している
私は思考や行動が極端にならないように、
自分とは全く違う価値観や人種の人たち、
いわゆる普通の人や常識的な方々となるべく会話し、
そのunbelievableな意見や考え方を聴くようにしています。
そうしないと、自分や自分の周りが当たり前だと思ってしまい、
多数派である世間の人たちとどんどんズレていくからです。
例えば、私は2020年も2021年も2022年も2023年も、
そして2025年も2027年もずっと、
顔を隠す目的以外は本質的にパーフェクトに無意味な、
白い布で鼻と口を覆うようなことはせず、
電車の中でもエレベーターの中でも百貨店の中でも、
堂々と素顔を出して生きています。
10数年後には先進的だったと評価される社会貢献だと思って、
不特定多数が密集している密室でくしゃみも平気でします。
2020〜2021年に緊急事態宣言が頻発されているような時に、
新幹線や特急の中から駅のホームでマスクしていない人を見かけ、
自分以外にも同志がいるのかと驚いたら、
それはやはり自分の友達でした。
そんな感じで、日本において世間の多数派の人とは異民族のようにいろいろ違っている状態なので、
ごく普通の一般の人が何を考えているのか耳にしていくことは、
私にとってコンサルを受けているような貴重な知的習慣です。
不動産に関して言うと、最近では無料とかマイナスで仕入れることが多いので、
ごく標準的な不動産投資家さんにそのことを話してみたら、
全く逆の回答が返ってきました。
融資を受けて買うような一棟ものや高値の区分マンションなどもどんどん値上がりしているため、
地方の築古戸建てなどに投資していたのに、
そういった物件も軒並み値上がりしていて、
5年前は250万円ぐらいで買えていた物件が、もう400万でも買えなくなっているようです。
既に入居者が住んでいる物件、
いわゆる収益物件に至ってはもっと値上がりしているようで、
もう以前のように利回りも出せないし、
全くうまみのある物件が見つけられないから、
不動産投資は開店休業状態が続いている、
と嘆かれていました。
先日、不動産屋さんを訪問した時も、やはり同じようなことを言われていました。
すなわち、不動産価格は三極化していると言えます。
中学生の読者さんが増えることを期待し、
超絶分かりやすくその三極化について記します。
・ちゃんとしたマンションなど、元からめっちゃ高い物件はめっちゃ高いまま
・そういうめちゃ高なのを買えない人達が投資しているボロボロの家も、どんどん高くなっている
・不動産屋さんやネット情報ではなく、
完全にオフラインで物件を仕入れている私や周辺のごくごく一部の人間からすると、
不動産価格は暴落してるどころか、無料やマイナスで買えている
このような価格形成になっているのは、
不動産屋さんに大きな原因があると分析しています。
今、田舎に残した実家などの不動産の処分に困っているオーナーさんが激増しています。
具体的には、都会に出てきた60代の人がオーナーで、
その両親が住む地方の実家のことです。
おじいさんは数年前に亡くなり、おばあさんはもう重度の認知症で施設に入っているとか、
すでに長い間、誰も住んでいなくて固定資産税だけ払っているとか、
ボロボロの空き家で荒れ放題になっていて、近隣の人からの目が気になるとか、
本来はそういう物件でも、100万から数百万程度の価値はあるので、
不動産屋さんが扱うべきですが、
そんな仕事は全く儲かりません。
よって、不動産さんはオーナーにお金がかかることしか提案しません。
「ぶっ壊してアパート建てましょう」とか「500万とか1000万ほどリフォームして貸し出しましょう」とか、
提案は大まかにそのどちらかだと思います。
「現状のまま100万とか200万で売りましょう」とは言いません。
なぜなら、それはものすごく手間がかかるのに儲からず、
そして、最大の理由は責任の回避です。
ボロ物件は当然ながらあちこち傷んでいて不具合だらけで、
また、購入しようとするお客も初心者やうるさい人が多くなるので、
不動産屋さんには全く扱うメリットがありません。
通常、世間の99.9%の日本人と同じように、
近年の不動産屋さんはトラブルを自らの死よりも恐れる人が多いです。
宅建免許のことを自らの心臓とか生命とか、いや生命以上に絶対的な大切なものと考えていて、
それを汚されたり奪われたりする0.0000000000001%の確率を極端に恐れています。
起こり得ないリスクと責任ばかり気にして、
常識を振りかざして建前ときれいごとを並べ、
困っている人を助けることは全力で回避します。
地方の空き家の処分に困っている人の相談を受け、
物件を無料またはマイナス価格で引き取ることは、
外科医が高齢者の背中の腫瘍を切除するのと理屈は同じです。(written by 廃墟不動産投資家)