人としてやってはいけないこと

私は去年から意味不明のオンライン社会が始まってから逆に、
リアルに人と会って話すことを心がけています。
ちなみに一昨年までは、何でも私はオンラインで済ませようとする考えでした。
今は月に一度、村上会というオンラインサロンのようなところでリアルに壇上にて、
廃墟不動産投資や物件無料ゲットのほか、常々自分の考えていることをお話しています。
そこで、「人として一番やってはいけないことは何ですか?」と質問されました。
私の答えは、読者の期待や想定からかなり外れたものだと思います。
しかも、それは多くの人に当てはまってしまう行為です。
通常は、「人として一番やってはいけないことは何ですか?」という質問の答えとして、
強盗、オレオレ詐欺、殺人などが挙げられそうです。
そういう誰でも答えられることではつまらないですし、
そのようなことならそもそも法律に明記されています。
私が考える、人としてやってはいけないこととは、
「自分にとっても相手にとっても無駄な事務」です。
相手にとって無駄でも、自分にとって有益ならそれはそれで構いません。
タクシーの運転手が、ひどく疲れている乗客に対し、
昨日のプロ野球の結果について解説を始めることは、
好ましくはないものの、人としてやってはいけない、とまでは言えません。
自分にとって無駄でも、相手にとって有益な場合も同じです。
ただ、自分にとっても相手にとっても無駄な事務は、
どのように理屈を考えようともやるべき理由が見当たりません。
例えば、先日、私は借りたカーシェアの車を元とは違う場所に返してしまい、
業者さんがレッカー移動することになりました。
そのことで電話があり、もちろん私は代金を支払うので、
毎月の引き落とし金額に追加してもらうか、請求書を送ってもらうことに同意したのですが、何と、
「レッカー移動代を支払うことについての合意書」
「レッカー移動の代金について了承する書面」
の2回のやり取りを求められました。
「すみません 払いますね」と言っているのに、わざわざ、
払うこと自体の書面と、金額への合意の書面を交わすことは、
お互いにとって無駄以外の何物でもありません。
もしその書面のやり取りが相手にとってすごく楽しいなら、
私は仕方なく付き合ってあげます。
幼児が、道端に落ちている石ころを「いーち、にーい、さーん、よーん、」と数えることは、
私にとって無駄かもしれませんが、その子にとって楽しいことならば、
喜んで一緒に「ごーお、ろーく、しーち、」と声を出してあげるのと同じ理屈です。
自分にも相手にも無駄な事務を延々と続けている典型的な職場は、日本の役所です。
分かりやすい例を出すと、住所を記載するとき、都道府県まで書くように求められます。
誰も知らないマイナーな市や町であれば仕方ありませんが、大阪府大阪市とか、静岡県静岡市となぜ書かないといけないんでしょうか?
当然ながら神奈川県大阪市や群馬県静岡市なんて存在しません。
また、郵便番号を記せばそもそも「○○県△△市××ヶ丘」は省略できるのですが、やはり全部書くように指摘されます。
私は、「千代田区~」と書いたときに、「東京都からご記載ください」と指摘されたので、
「あ~あ~、いろいろ省略してしまいました」と答え、
「宇宙、局部超銀河団、おとめ座銀河団、局部銀河群、銀河系(天の川銀河)、オリオン腕、太陽系、第3惑星地球、アジア、日本、東京都千代田区~」
と長々とペンを走らせました。
基本的に、こういうことをすると私は頭がおかしい人のように扱われますが、
ついつい事の本質を突いてしまう者の宿命として受け入れています。
自分にも相手にも無駄な事務を課すことは、時間の無駄遣い、すなわち命の無駄遣いです。
ほんの小さいことかもしれませんが、自殺と他殺を合わせたような最悪の行為です。
だからこそ、強盗やオレオレ詐欺や殺人を差し置いて、
私は「人として一番やってはいけないこと」の答えとして「自分にとっても相手にとっても無駄な事務」を挙げたのです。(written by 廃墟不動産投資家)