なぜ生活保護を受けない?
私の入居者のうち、とあるおばあさんは、
一年中エアコンを稼働させています。
ちょうど今頃の季節から、暖房を冷房に切り替えます。
そして、多分秋が深まってきた頃に冷房を暖房に戻します。
24時間365日、エアコンを付けているのです。
また、洗面所の水をひねるのが億劫で、ずっとチョロチョロ出しっぱなしだそうです。
源泉かけ流し温泉です。
食事も、ウーバーイーツならぬ昔ながらの宅配で高コストです。
それでも、生活保護と、こっそり多くの子供達から受けている仕送りで悠々自適の日々です。
家賃は当然、役所からの振込なので決して遅れません。
半面、生活保護よりも安い家賃で、生活保護受給者よりも低い収入で労働している入居者は、
時折、「生活が苦しい 家賃を待ってほしい」と頼んできます。
私は必ず、「家賃が払えないほど苦しいなら生活保護を申請してください」と勧めますが、
「仕事しているから」「そこまで困っていない」などと変なプライドを持ち出して話をそらします。
生活保護は仕事しながらでも受けられます。
決して推奨されることではありませんが、
10店舗ほど飲食店を経営するやり手の経営者でも、ちょっとしたお小遣い目的で生活保護を受けているケースも見られます。
そういう人はさておき、数万円の家賃の支払いに困るのは生活保護基準を遥かに下回っています。
そもそも、健康ではなく節約のために自炊し、あらゆるところを切り詰めているにも関わらず、
貯金が10万以下とか手取り収入が12万以下といった非常に貧しい人は、絶対に生活保護に頼るべきです。
私はもし、貯金が100万以下で手取り月収が50万を下回れば、迷わず生活保護を受けて悠々自適に暮らします。
生活保護は単純に国民の権利であり、貯金10万も20万も30万もゼロと同じです。
大衆の各個人のプライドを無視して言えば、月収10万も15万も20万もゼロと同じです。
それは、6歳の子供が、5歳や4歳の子に対し、「私はお姉ちゃんであの子達は赤ちゃん」と言っていても、
大人から見れば6歳も5歳も4歳も幼い子供であることと同じです。
つまり、月収10万も15万も20万もド貧民で、貯金10万も20万も30万も生活困窮者です。
もしボランティアや強い社会貢献意識などではなく、
単に報酬だけを目的に、身を粉にして一生懸命にがんばって月収10万とか15万程度しか稼げないのであれば、
それはAIや効率化や高次の知性によるたった1つのアイデアによって簡単に代替可能となる作業でしかありません。
そのような労働にもし高いプライドを持っているならば、残念ながら愚かで無知なマゾヒズムのように思えます。
「私は生活保護を受けずに立派に仕事している」と思いたいプライドは、実は立派でも何でもないです。
むしろ、生活保護を受けて経済的な余裕を確保した上で、
ボランティアとかNPOを問わず、世の中に何か貢献するために活動しているほうがよっぽど立派です。
本当に、生活のためだけの安い仕事に対する貧民のプライドなど無駄です。
江戸時代の糞尿のように、畑の肥やしにもなりません。
また、ちょっと一時期に名の知れた経営者や不動産投資家も、
まるでアイドルや芸能人のように多くが消えていきます。
例えば、月収1000万など稼いで本など出版し、
いろいろな情報を発信して少しの間人気になるような人は結構たくさんいるのですが、
しばらくするといつの間にかいなくなります。
実は、そのこともプライドが邪魔しています。
要は、儲からなくなったら恥ずかしくなって人前に出られなくなり、
情報も発信しなくなって忘れられるのです。
もしプライドを持っていない人なら、
「もう稼げなくなってきた! 俺、イケてなかった! 誰か助けて~ 飯おごって~」
「人気がなくなってきた! 僕はやはりしょぼかった! 雑用係でも何でもいいから、たまに人前に出させて~」
などと完全に自分を客観視し、周囲の応援を得て、また稼げるようになったり人気者に戻ったりします。
プライドとは、大衆にも成功者系にも、本当に不要なものです。
プライドは唾棄すべき概念ですね。(written by 廃墟不動産投資家)
Comment
生活保護申請しようとしても役所が申請用紙をわざとくれなかったり、条件をみたしていても保護を受けられないのが現実です。
まさしくその通りで、
交渉力が低くて押しの弱い人はなかなか受けられず、
気が強く仕事のできる人は簡単に受けられます。