本当に不動産で儲かっているのは誰なのか?
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不動産投資家より不動産事業者のほうが遥かに儲かっていることをご存じでしょうか?
もちろん、儲かり具合は人によるのですが、
総じて見ると、それはほぼ確実に言えます。
例えば、不動産投資家は、500万の頭金を入れ、6500万の融資(負債)を組んで、7000万の資産を得て、年700万の家賃収入となります。
銀行への支払いを除くと、手元に残るのは年100万といった数字です。
半面、売買の不動産屋は、3ヶ月に1回、その7000万の物件を売れば、420万ちょっとの手数料が入ります。
そのペースでも年間1600万の純利益となります。
事務所の家賃など除けば、経費はほぼゼロで、しかもノーリスクです。
もし契約の話が流れても、損することはありません。
水道管が破裂したり、夜逃げで物件を糞尿屋敷(しかも人糞。。)にされることも心配しなくて済みます。
不動産投資よりも、不動産投資する人に物件の売買を仲介していたほうがリスクもなく儲かってしまうのは、
元もこうも無い話ですが、一つの厳然たる事実です。
ただ、そうかと言って、売買の不動産屋さんが例外なく繁盛しているわけではなく、
その理由の一つとして、わざわざ駅前にものすごく賃料の高いオフィスを借りたり、
その事務所のエントランスに維持費が月6万の熱帯魚の水槽を置いてみたりして、
成果と関連の低い無駄なコストをかけ過ぎることで、
せっかくの利益を消してしまう傾向があることが挙げられます。
そういうこともあるものの、一部の成功者を除き、夢の不労所得の不動産投資よりも、
地道な労働収入である不動産売買の仲介のほうが格段に儲かるのは、
数千万以上の高い物件を頻繁に購入している方々なら、すぐ気付くはずです。
では、なぜ多くの人たちは不動産業者ではなく不動産投資家を目指すのでしょうか?
その答えは、不動産投資は不労所得で、不動産仲介は労働収入という違いもありますが、
不動産業者だと地味で目立たないのに対し、
不動産投資家だと、何とか投資家とか、何とか大家さんとしてスポットライトが当たり、半分芸能人のような扱いになってすごく華やかで、いろんな人からチヤホヤされるからです。
私も、廃墟不動産投資家と名乗り、ある程度の知名度を経て、
初対面の人からも「あ、何かで見たことある!」とか、ファンの人からは「わぁ、本物ですね!」と言ってもらうことができています。
しかし、しょせん私の月収は120~150万ほどしかありません。
「おい、多過ぎるじゃないか!嫌味かよ!」と感じる方もいらっしゃるでしょうが、
不動産の世界においてはかなりしょぼめの数字です。
少なくとも、決して目立つほどの収入ではありません。
売買の不動産屋さんは、地主から6億の土地の売却を頼まれ、お客に紹介して売ってしまうと、
定型の書面を作成してサインしてもらうだけで、サクッと4000万近い利益が得られます。
そんな業者さんは市井にごろごろおられます。
不動産投資家がアイドルなら、売買の不動産屋さんはプロデューサーです。
当然ながら、表で目立っているアイドルより裏方のプロデューサーのほうが儲かるわけです。
もっと儲かるのは、局地バブルエリアの地上げでしょう。
京都でのホテルと東京でのタワマンの用地確保で、
生活保護者の老人達をうまく説得してきれいなマンション(追い焚き機能付きのお風呂と自動で上がる便座)に引っ越しさせ、
オセロを白から黒に変えていくように、ボロ屋を次々と空室化していき、
まとまった一区画に仕上げれば、一気に数十~百億以上の資産ができ上がり、
その売買の書面を作ればノーリスクで数億の手数料をゲットできます。
今回の論文で私が伝えたいポイントは、
「目立っているから稼いでいて、目立っていないから稼いでいない」
という具合に、目立っているかどうかでその人の稼ぎ具合を判断するのは全く当てにならないということです。
(written by 廃墟不動産投資家)
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