人手不足の解消法
最近は人手不足で物件の工事が進まない人も増えてきているかと思います。
私の事務所も、古くて汚い板を撤去したいのですが、
2月末や3月末までで約束していたところ、
「もう少し待ってもらえますか?」と1週間前に言われ、
いずれも直前になって職人さんと連絡がつかなくなりました。
元からきれいな物件は買うにも借りるにもどうしても高くなるので、
ボロくて古い空き家に手を入れて、価値を高めて利益を出すのが不動産ビジネスの基本です。
先日も不動産投資を始めた方の話をうかがい、
200万で家を買って100万で直して400万で売れたとか、
150万で購入して50万でリフォームして1年ほど貸し出して家賃を得てから、
同じ150万で売却できたとか、成功例を聞きましたが、
それはやはり汚い物件に手を入れてきれいにしたことの対価です。
きれいに直すためにはどうしても人手が必要ですが、スタッフが本当に足りません。
深夜営業のチェーン店もときどきスタッフ不足で閉店したり時間を短縮したりしています。
かと言って自分が現場で動くことは避けたいところです。
そうすると自分のやるべきことができず、
スタッフは充足しても社長がいない状態となります。
このような人手不足の状態は、3つの手法で解決または緩和すべきです。
1つ目の手法としては、まず、トンチを用います。
トンチとは、ちょっとしたアイデアのことです。
例えば、以前、風の強い日でバーベキューのテーブルクロスがすぐ吹き飛びそうになったので、
誰かが小石を四隅に置いたのですが、それでもバサバサと形が崩れます。
そこで私はテーブルとクロスの間に水を吹きかけました。
そうすると風が吹いてもテーブルクロスが密着して安定しました。
他にも、共同住宅のエントランスのドアが激しく音を立てて閉まるというクレームに対し、
入居者には、手間賃と材料代を支給し、隙間テープをドアの両面に貼り付けるように指示しました。
大工さんを呼ぶと数万かかるうえ、そもそも人手不足なので来てもらえないところ、
入居者にトンチによるDIYを指示することにより、一瞬で解決しました。
便座が割れてしまったケースでは、同じく入居者に電話で、
まずヒビ割れた部分はテープでくっ付け、その後に便座シートを貼ってもらうように説明しました。
根本的な直し方ではないものの、トンチを使って乗り切る手法です。
2つ目の手法は、ソフトで解決する考え方です。
工事をハードと呼ぶなら、ソフトとは、人間に対して交渉することを指します。
具体的には、あまり直せない代わりに家賃を安く設定するとか、
部屋数が多い家で、「しばらくその和室だけ雨漏りは続いてしまいますが、その間、家賃を2千円割引します」
と補修を待ってもらったり、
ネズミの被害を訴える入居者に対しては、工事ではなく食べ物の管理について指導するなど、
私の事例だと1つ目の手法のトンチに似ていますが、職人やスタッフを使わずに、
相手方に協力してもらってトラブルを解決します。
3つ目の手法では、トラブルが起きた際、工事ではなくモノで代用します。
例えば、冬にエアコンが故障した場合、修理業者を呼ぶのではなく、
ファンヒーターや電気カーペットを購入します。
部屋の一部分が汚い場合、クロス職人を探すのではなく、
おしゃれな観葉植物を置いて壁を見る人の視線をそらします。
浴室をグレードアップしたいときは、床や浴槽の入れ替えだと人が必要なので、
高級ホテルの備品のようなセットを置いて雰囲気を少し変えます。
これらの手法はあと数年は有効に使えると思いますが、一時しのぎの粋を出ないので、
抜本的に不動産投資や関連ビジネスのあり方を考えなければなりません。
そういうことも今後、ときどきこのブログでお伝えします。(written by 廃墟不動産投資家)